


















「新蛇田の家」
東日本大震災後の集団移転地に計画した戸建て住宅。かつて田んぼだった広大な造成地には、街としての積層した文脈がほとんどなく、均質な区画に短期間で大量の住宅が建ち並ぶ状況が想定されていた。そこで本計画では、周囲の環境が定まらない中でも住まい手の生活が揺らぎなく立ち上がるよう、新たな「規範」を敷地内に自らつくり出すことを試みた。
一般的には南側に庭を確保し北側に建物を寄せる形式が選択されるが、本計画は平屋であることを踏まえ、採光と通風を最大化するために敷地に対角線の軸を引き、その線に従うかたちで構造と空間を組み立てた。この対角の軸線は高窓の配置とも呼応し、隣地にどのような建物が建つかわからない状況でも、内部に安定した光環境と風の通り道を確保する骨格として機能している。また駐車場もこの対角線の軸を基準に計画したことで、限られた敷地のなかに視線の抜けが生まれ、内外の空間にのびやかさと開放感をもたらしている。
設備計画ではヒートポンプによる全館温水床暖房を採用し、コンクリート基礎を蓄熱体として活用。冬季でも安定して暖かく身体的にも心理的にも快適さを感じられる環境を実現した。
【新蛇田の家】
所在地:宮城県石巻市
延べ面積:76.6m2
構造:木造 階数:地上1階
設計監理:株式会社スタジオフッド 勝邦義
構造設計:ASD
施工:平有建築 、 アイテック
設計期間:2016年11月~2018年7月(第1期) 2023年6月~2024年3月(第2期)
施工期間:2018年7月~2018年12月(第1期) 2024年4月~2024年6月(第2期)
写真:川崎璃乃
【Shinhebita House】
Location:Ishinomaki-city Miyagi
Main use: Private housing
Architect: KATSU Kuniyoshi/STUDIO-HOOD
Photo: Rino Kawasaki
